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コラム/カルシウムの基本「他の疾患との鑑別診断」

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    • 「他の疾患との鑑別診断」

骨量の減少をきたす疾患は他にもたくさんありますので、これらの疾患を鑑別しなければなりません。

鑑別診断に必要な検査として実施すべきものに血清のカルシウム、リン、アルカリフォスファターゼ(Al-P)の測定があげられます。

尿中のカルシウムの測定、BMA、DPA、CTなどによる骨量の測定も必要です。

なぜこのような血清成分の測定が必要かといいますと、レントゲン写真のみでは骨粗鬆症とまぎらわしい他の疾患との鑑別が困難だからです。

まず鑑別すべきものの第一番目にosteomalacia(骨軟化症)があり、それから原発性副甲状腺機能充進症、腎性骨異栄養症、多発性骨髄腫、癌の骨転移といった他の疾患があります。

骨粗鬆症では血清カルシウム、Al-Pは特別な場合をのぞいて正常です。

骨軟化症では血清カルシウムがやや低下し、リンが下ります。Al-Pは高いという生化学上の特徴があります。

原発性副甲状腺機能亢進症では血清のカルシウムが高くリンが低いという特徴があります。

腎臓が悪いときには血清リンが上がり、BUNが高くなってきます。それから老人で非常にまぎらわしいのは多発性骨髄腫で、この場合にはM蛋白が認められます。

癌の転移の場合は全身の状態が鑑別上の参考になります。

一般に癌の骨転移があるのは末期の状態に多いものですから、骨以外に癌があるかどうかということを見出すことが決め手になります。

こういう疾患を除外したあとに残るのが骨粗鬆症ということになります。

骨粗鬆症でも原因疾患の明らかな場合があり、それはsecondary osteoporosisと呼ばれています。

原因疾患としては甲状腺機能充進症、Cushing症候群、ステロイド投与、その他の疾患があります。

しかしこういうものは非常に少なく、90%はprimary osteoporosisと呼ばれるものです。

したがって骨粗鬆症の診断というのは、現在では除外診断の上に成り立っているのです。

secondary osteoporosisを除いて残るものがprimary osteoporosisとするという手続きで診断を行うわけです。

(続く)

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